江原道(襄陽郡)

義湘台(ウィサンデ)は洛山寺から紅蓮庵の観音の観音洞窟に行く海岸の丘にあります。新羅時代(BC57~AD935)の義湘大師(625~702)が文武王676年(661~681)に洛山寺を建てた時、ここに座って修行をしたところに建てた東屋として知られており、現在の東屋は1925年に建てられたものです。八角形の義湘台にある紅蓮庵は、洛山寺が創建された5年後に建てられたもので、義湘大師が修行を積んだ洞窟。この紅蓮庵は義湘大師が7日間祈祷をした時に海で赤い蓮が咲いたので紅蓮庵と名づけられたと言われています。海の近くの岩の洞窟の横にある絶壁に建てられておりその勇壮な佇まいが印象的です。またここから見る日の出は美しく、朝鮮(1392~1910)中期の詩人だった松江鄭澈(1536~1593)は、関東別曲に義湘台からの日が昇る光景を「梨の梨はすでに散って、コノハズクが悲しげに泣く時に、洛山東側の丘に義湘台に登って座り、日の出見ようと真夜中に起きて、縁起が良さそうな雲が消えては出る6匹の竜が太陽を支えるよう、海から太陽が去る時には世の中のすべてのものが揺れるので、天に昇っていく羽も測りきれないほどとても明るい」と詠った詩が伝わっています。


慶尚北道(慶州市 )

瞻星台と月城の間に位置しており、史跡第19号に指定されています。慶州金氏の始祖、閼智が誕生したという伝説がある由緒深い場所で、このような話が残されています。新羅脱解王の時に、瓠公がこの林の中で鶏の鳴き声を耳にしたので、声が聞こえる方に近寄ってみると、木の枝に金の装飾がほどこされた櫃が引っかかって、光を放っていました。このことを王に話すと、王は自ら林へ行き櫃を下ろし、ふたを開けると中から男の子が出てきたので、この子の姓を金、名前を閼智とつけ、もともと始林、鳩林と呼ばれていたこの林のことを鶏林(ケリム)と呼ぶようになったと伝えられています。鶏林は、新羅の国号としても使われました。丸く広がっている林には、ケヤキの木などの古木が鬱蒼と茂っており、北から西にかけては小川が流れています。王は閼智を皇太子に任命しましたが、後に朴氏王族である婆娑王に王位が継承されたため、王位に就くことはできませんでした。後の時代、奈勿王の時より新羅金氏が王族となりました。境内にある碑は、朝鮮純祖3年(1803)に建てられたもので、金閼智誕生についての記録が刻まれています。新羅王城の近くにある神聖な林で、また新羅金氏王族の誕生地でもあるこの地は、今でも鶏林には王達やケヤキの木がいるような錯覚さえしてしまいます。大陵苑-鶏林-半月城と続く散歩道の横には、春になると黄色いアブラナの花々が、遺跡地の風雅な趣を一層深めてくれます。


江原道(春川市)

春川市は依岩湖、春川湖、昭陽湖などに囲まれている湖畔都市であると言えます。ソウルに漢江の河川敷があるとすれば、春川には孔之川があります。春川市の孔之川の橋の反対側にある黄金の鱗テーマ公園は、小説家李外秀の長編小説「黄金の鱗」を素材にした公園です。春川の作家である李外秀において、孔之川と依岩湖は文学の本郷として李外秀のベストセラー小説「黄金の鱗」の背景となった地でもあります。水、湖、霧、思い出、憧れ、文学と芸術が込められた春川の象徴の空間である孔之川を地域の特性と芸術、環境を調和させて小規模のテーママークに作り上げました。テーマ通りを歩くと李外秀の絵が詩、童話などを見ることができ、思い出の文化テーマ空間として湖畔の周りが散策路になっています。周辺には、彫刻公園、噴水、ボート乗り場、河川敷、キャンプ場、戦跡記念館、子ども会館、エチオピア参戦記念碑などがあります。


忠清南道(牙山市 )

孟氏杏檀(メンシヘンダン)は高麗時代末から朝鮮時代初期にかけての宰相で、公正な官吏として知られる孟思誠(メン・サソン1360-1438)が暮らした家です。韓国の民家の中で最も古く、もともとは高麗時代末の崔瑩(チェ・ヨン)将軍の家でしたが、将軍の孫娘と結婚した彼に譲られたといわれています。公正な官吏として有名な彼らしく質素なつくりで、庭には樹齢600年の銀杏の木が2本あり、そこから杏檀と呼ばれるようになったといわれています。本来杏檀とは孔子が銀杏の木の上で教えたという故事に由来することばで学問に励むことを象徴しますが、その故事を知る孟思誠が草の茂るところに銀杏を植え後学を指導したのだといわれています。現在この2本の銀杏の木は私たちに涼やかな木陰と、たくさんのぎんなんをプレゼントしてくれます。


全羅南道(順天市 )

順天楽安邑城(スンチョン・ナガンウプソン)は、朝鮮時代の城と東軒、客舎、林慶業将軍碑閣、市場、草葺屋根の家などが原形そのままに保存されており、城と村が一緒に国内最初の史跡第302号に指定されました。朝鮮 太祖6年(1397年)に倭寇が侵入してくるや、この地出身の襄惠公 金贇吉(キム・ビンギル)将軍が土城を築き、その300年後の仁祖4年(1626年)に忠愍公 林慶業(イム・ギョンオプ)将軍が楽安郡守として赴任し、現在の石城を築きました。他の地域の城郭と異なり、広い平野地帯に1~2mの大きさの正方形の石を利用して高さ4m、幅3~4m、全長1,410m、東内、南内、西内など135,537m²に及ぶ3つの村を囲み、400年以上経つ現在も途切れるところなく原形そのままに残されています。今も85世帯がこの中で生活しており、民俗学術資料としてはもちろん、歴史教育の場としても価値が認められています。東門をはじめとし、西門、南門を通り城の中に入ると、時代劇の撮影所なのではないかと錯覚に陥るほど、昔の庶民たちの生活の様子がそのままの姿で残されています。


仁川(江華郡)

支石墓は先史時代の石墓の一種で、英語ではドルメン(Dolmen)といいます。支石墓はエジプトのピラミッドやイギリスのストーンヘンジ(Stonehenge)のように石で造られた記念物です。世界的に支石墓が多く分布している東北アジアの中でも、特に韓国は全国にわたり約3万個に近い支石墓が発見されています。 江華支石墓遺跡は仁川広域市の江華郡(カンファグン)富近里(プグンリ)地域を中心に120個余りの支石墓が分布しています。ここでは長さ7.1m、高さ2.6mの巨大な石を使った北方形態の支石墓が発見され、先史時代を研究する重要な資料として評価されています。また、一般的に支石墓が位置する高度よりも高い標高100~200mにまで分布しているという特徴もあります。 高敞支石墓遺跡、和順支石墓遺跡とともに2000年11月29日にユネスコ指定世界文化遺産に登録されており、夕暮れ時にはさらに美しい姿を見ることができます。


全羅北道(益山市 )

宝石で有名な益山(イクサン)の地域的特色を生かして設立されたのがこの宝石博物館(ポソッパンムルグァン)で、貴重な宝石の原石などを11万点余り所蔵しています。百済の文化遺跡と宝石の美しさを観光資源として活用するため、王宮宝石テーマ観光地内に建てられました。地質時代の歴史が一目で見られる化石展示館には、時代別の各種の化石や翼竜、首長竜、実物大の骨格恐竜などが展示されています。宝石博物館には、宝石博物館と化石展示館、体験館があり、規模はそれぞれ、宝石博物館6,214㎡(地下1階~地上2階)、化石展示館932㎡(地下1階~地上2階)、体験館574㎡(地下1階~地上2階)となっています。宝石博物館の体験プログラム3月~11月まで、宝石博物館のピラミッド棟体験場で週末に体験プログラムが行われています。七宝焼き、携帯ストラップ、ネックレス、シルバーリングを作ることができ、体験の際は材料代が5,000ウォン~10,000ウォンほどかかります。


慶尚南道(金海市 )

 1998年7月に開館した国立金海博物館は古代国家の1つ「伽倻」の文化遺産を集大成した博物館です。伽倻の建国説話が生まれた金浦市亀旨峰の麓に位置する国立金海博物館は伽倻の文化財を集めて展示するとともに釜山と慶南地域の先史時代の文化と伽倻の成長の基盤になった弁韓(ピョナン:韓半島(朝鮮半島)の中部以南に分布した三韓の一つ)の文化遺産を展示しています。伽倻の歴史は、他の古代国家に比べると歴史の記録があまり残っていません。そのため、伽倻の実体を知るには、ほとんどが発掘作業などの考古学的方法により見つかった、古代人が残した遺跡や遺物から復元しなければなりません。このような点で、国立金海博物館は考古学を中心とする専門博物館としての特性を持っています。


慶尚北道(慶州市 )

新羅文化院では大陵苑と瞻星台の間の約992m²(300坪)の敷地に、慶州ならではの特性を生かした様々な文化体験ができる新羅文化体験場をつくりました。文化財の形のチョコレート作り、金冠作り、凧作り、国楽公演などの伝統体験が可能です。


忠清北道(忠州市 )

忠州湖(チュンジュホ)は渓谷を塞き止めて作られた湖で、韓国でもっとも大きな湖です。忠州ダムの渡船場から、快速観光船と大型遊覧船が運航されています。運航路は玉荀峰、亀潭峰、マンハクチョン峰、チョガバウィ、コレバウィ、ヒョンハク峰、オノボン、シンソン峰、カンソンデ、ボドゥル峰、オソン岩、ソルマ峰、ジェビ峰、ドゥム山などを回り、新丹陽・チャンフェ渡船場まで運航されています。また清風渡船場近くに行くと、東洋で二番目に高く吹き上げる噴水を船から観賞できます。周辺の「忠州湖リゾート」は国内一の湖畔観光地で、各種運動施設と娯楽施設を備えています。水上スポーツ施設が完備しており、全天候型の観光名所として脚光を浴びています。忠州湖周辺には月岳山国立公園、清風文化財団地、丹陽八景、古薮洞窟、水安堡温泉などの有名な観光地があり、多くの観光客が訪れています。