京畿道(議政府市)

韓国戦争(朝鮮戦争)の直後、食糧難に喘いでいた市民がアメリカ軍の生活用品処理場に残された肉などを持ち帰り、鍋で煮込んだものが「様々なソーセージ入りキムチ寄せ鍋(プデチゲ)」の元祖です。しかし、今ではソーセージやハムなどの具がたくさん入った栄養満点のチゲ鍋へと生まれ変わり、誰もが知っている人気料理となりました。その中でも、議政府のプデチゲは、「議政府チゲ」と呼ばれるほど人気を博しており、その中でも最も有名なお店がここ「ボヨン食堂」です。麦で作った自家製コチュジャンと、キムチから出る深みのある辛味を、ぜひ一度ご堪能ください。


慶尚南道(河東郡 )

蟾津江はシジミで有名です。シジミは肝臓病や黄疸などに効果があり、体が弱っている人にもいいとされているので、昔から珍重され、たくさんの人がその効能にあやかろうとした食材です。このお店は蟾津江のほとり、河東にあり、「シジミ汁(チェチョプクッ)」が口コミで広がりました。生臭さもなく、さっぱりしているシジミ汁のスープに、白く輝く河東産のご飯をひとさじいれると、それだけでこのお店の評判に納得がいきます。「シジミの刺身」もこのお店の珍味なので、必ず一度は味わいたい一品です。


全羅北道(金堤市 )

全羅北道の金堤には白山池、別名「観望台」と呼ばれる貯水池があります。ここは昔から淡水魚が美味しい地域で、金堤と益山をはじめとする周辺の釣りマニアに人気の場所です。そして、その「観望台」入り口に位置する食堂が、このウンピッガーデン食堂です。ぴりりと辛い噂の辛味鍋(メウンタン)に、美味しいと有名な地平線米、そして甘みと辛さが絶妙な白菜の甘辛和え(コッチョリ)を一緒に食べれば、この上ない最高のハーモニーが味わえます。特に、一度食べた人なら必ずオススメすると言うナマズの鍋(メギタン)に入ってる干した大根の葉っぱのお味は、このお店のリピーターにはならずにいられない人気の秘訣です。


慶尚南道(泗川市 )

韓国では「食べれば薪を割りたくなる」といわれるほど、ウナギはスタミナの滋養強壮料理として親しまれています。その中でも慶尚南道泗川のウナギは、身がやわらかく香ばしいことで有名です。南海のさざなみを眺めながら、濁酒(マッコリ)で作ったお酢入りの酢コチュジャンで食べるウナギ刺身(チャンオ・フェ)は、まさに指折りの絶品といえるでしょう。「ウナギを食べるために泊まって行く」と言われる泗川のウナギ。ここ「実安チャンオ村」で味わってみてください。


全羅南道(咸平郡 )

テフン食堂は南道の料理店として指定されており、32年間、二代にわたって続く韓牛専門店です。牛肉は咸平郡の牛市場に出される韓牛の外モモ肉だけを使用しています。外モモ肉は、脂身の大変少ない臀部の肉で、とても柔らかくて生臭くないのが特徴です。また、牛刺しビビンバ(ユッケ・ピビンバ)を注文すると豚の脂身が一緒に出てくるので、これを混ぜて食べるとまた格別な味が楽しめます。


全羅北道(任実郡 )

蟾津江は山と川に恵まれているので、昔から各種の魚介類が豊富なことで有名です。特に上流ではカワニナが、下流ではシジミが有名で、こちらのお店では上流のカワニナを使った汁物が評判です。やや苦味がありながらも香ばしさを同時に味わえるこのカワニナ汁(タスルギ・タン)は、美味しいのはもちろん、二日酔い、黄疸(おうだん)、むくみなどにも効果があり、また、『本草綱目』と『東医宝鑑』によると、目を健やかにする働きがあると書かれています。ソンシム会館食堂は20年間、カワニナだけをメインメニューとしてきた、カワニナ汁の専門店です。


忠清南道()

ヨンファ食堂の鶏肉の水炊き(ペクスク)の最大の特徴は、なんといっても桑の葉の漬け物と、果物を使って漬けた白キムチ(ペッキムチ)(特許登録予定)を融合させたという点です。気力を強めるキバナオギの根と、気力を落ち着かせる桑の葉の漬け物を混ぜ合わせ、食欲を増進させてくれるちょっぴりすっぱい白キムチと鶏肉を一口食べると、鶏肉の水炊きのもうひとつの視野が開けるでしょう。鶏龍山を訪れる際には、ぜひ一度お立ち寄りください。


慶尚南道(固城郡 )

ハモはとても元気がよく、性格も荒いので、一度暴れだすと捕まえる事が難しいのだとか。そのため、産地で購入しても長距離の輸送が難しく、ハモを味わうためには直接産地を訪れる必要があります。ハモを味わうためにたくさんの健康食マニアや美食家が訪れる場所が、慶尚南道の固城です。固城のハモは、柔らかい肉質とあっさりとした味わいで、薄くさばいた刺身に最適だといいます。ここ「別荘フェッチプ」が有名な理由は、その味を最大限に活かすことができるところにあります。ぜひ一度、力強いハモを生で味わってみてください。


忠清北道(沃川郡 )

新鮮なオイカワを、煮干のコチュジャン炒めのように炒めてから、油で揚げたのが「オイカワの揚げ焼き(トリベンベンイ)」です。魚のスープで煮込んだ「魚そうめん(センソン・クッス)」を一緒に食べれば、その抜群の相性は一度口にした人は忘れられないほどだとか。特に、ここの魚そうめんは、「青山魚そうめん」と言って、沃川郡の公式ブランドに選定されるほど有名です。50年近く、二代にわたって受け継がれているお店です。


江原道(楊口郡)

生後60~70日ほどの鳥骨鶏の若鶏を選んで、レバーや砂肝などと一緒に炭火で焼き上げる「炭火焼き鳥骨鶏(オゴルゲ・スップル・クイ)」。一般的な鶏肉に比べて弾力があり、香ばしくてあっさりした味わいが人気の秘訣です。さらに、この店特有の炭火の香りと、肉汁があふれる脂身、そして後口の良い辛さが特徴の背骨鍋(ピョダギ・タン)は、極上の美味しさです。他の鶏肉料理では味わえない珍味中の珍味と言えるでしょう。