大事な来客をもてなす際に、お茶請けとして使われてきた韓国の伝統デザート。食べるのが惜しいほど可愛らしい形と美しい色合いが特徴です。また、小豆や米粉、各種ナッツ類など栄養価の高い材料で作られるなど、健康にも配慮されています。近頃は伝統デザートに加え、外国人観光客のあいだで各地の名物デザートも人気を集めています。甘くて栄養価の高い韓国の伝統デザート!韓国旅行で味わうことのできるひと味変わったグルメでありながら、旅行のお土産としても遜色のない韓国の伝統デザートにせまってみたいと思います。


 

韓国伝統デザート


カンジョン

お祝いごとや祭祀の際にお供えするお菓子で、もち粉をこねて形作り、日陰で乾燥させてから油で揚げたものに、ハチミツと穀物を絡めて作ります。もち粉以外にも胡麻や、カボチャの種などのナッツ類をシロップで固めて作ったりもします。材料や形によって豆カンジョン、胡麻カンジョン、松花カンジョン、シナモンカンジョンなどたくさんの種類に分けられますが、甘くて香ばしい味から老若男女を問わず愛されています。


 

餅(トク)

餅は、米などの穀物の粉で作る食べ物で、韓国では名節や誕生日、結婚式といった晴れの日に餅を作って食べるのが一つの風習となっています。使用する材料や作り方、形、地域によって多種多様で、風船ガムを噛んでいるような歯応えのある食感が特徴です。種々の餅の中でも大衆に人気で手に入りやすいものといえば、ソンピョン(松餅)、インジョルミ(きな粉餅)、ペクソルギ(蒸し餅)、切り餅などがあります。ソンピョンは米粉をこねた中にハチミツ、あるいは小豆や栗などを詰めたもので、甘いハチミツの入ったものが一番人気です。インジョルミはもち米で作った餅にきな粉をまぶしたもので、噛みごたえのある食感と香ばしい味が逸品です。甘いものが苦手な人には切り餅をおすすめします。最近では、餅で作ったケーキや、餅にチョコレートを加えた餅チョコパイのようなフュージョン式の餅も人気を集めています。

 

 

油菓(ユグァ)

油菓は、もち粉に酒を加えて練ったものを蒸し、形を作って油で揚げ焼きにしたものにシロップやハチミツを絡めたお菓子です。一口頬張ると、口の中でさくっと崩れる食感がなんとも軽快。甘さ控えめでたくさん食べても飽きません。基本的には白いものですが、ヨモギやカボチャ、黒胡麻などの天然材料を活かして様々な色のものを作ったり、生姜などを加え、味と香りを風味よく仕上げることもあります。

 

 

正果(ジョンクァ)

 

 

正果は生の果物や植物の根の部分、あるいは実に、ハチミツを加えて煮詰めたもので、煎果とも呼ばれています。作る過程で果物の酸味が消えるため長期保存が可能です。正果に使う果物には柚子や花梨、すももなど繊維質が多いものや固くて皮のあるものが向いています。根菜では蓮根や大根、人参、高麗人蔘、キキョウ、生姜、ゴボウなどが向いています。正果は色が濃く半透明に光るものが良質なものとされています。

 

 

薬果(ヤックァ)

薬果は小麦粉に胡麻油、ハチミツ、酒、生姜汁などを加えて練ったものを油で揚げ、それにハチミツを塗って作ります。甘くて香ばしく、しっとりと軟らかい食感が特徴です。大きさによって大薬果、中薬果、小薬果に分けられ、四角に切って揚げたものを角薬果、茶食板にはめたものは茶食果と言います。伝統市場や大型ディスカウントストアなどで手軽に買い求めることができます。

 

 

梅雀果(メジャックァ)

梅葉果(メヨックァ)とも呼ばれる梅雀果は、小麦粉におろし生姜を加えて練ったものを薄く伸ばし、ひねって模様を作ったものを油で揚げてハチミツをくぐらせたお菓子です。さくっと香ばしく、生姜とシナモンの味が絶妙に混ざり合い、豊かな風味が特徴です。味もさることながら、色も形も美しく、昔から大事なお客様をもてなす際のお茶菓子として良く登場した デザートです。

 

 

 

穀類の澱粉を麦芽で糖化発酵させたものを煮詰めて作る、韓国の伝統菓子です。甘みが強く、水分含量によって水っぽい飴(水飴)から固い飴(硬飴)まで様々な形態の飴を作ることができます。江原道(カンウォンド)平昌(ピョンチャン)のとうもろこし飴、慶尚北道(キョンサンプクド)鬱陵島(ウルルンド)のカボチャ飴、全羅南道(チョルラナムド)昌平(チャンピョン)の米飴などが特に有名で、ピーナッツなどのナッツ類を含んだ飴も人気があります。飴そのものをおやつに食べたり、カンジョンや正果のような韓菓を固めるのにも使われ、かつては砂糖の代わりに甘味を出すための調味料として使われていました。また、昔から韓国には飴に関する面白い迷信があります。それは、大事な試験を受ける前に飴を食べると飴の粘り気で試験で良い結果が得られるというもの。そのため、現在も受験生が大事な試験をうける前には飴をプレゼントする風習が残っています。
☞ 韓国伝統デザートに関して
餅以外の油菓、カンジョン、薬果などの韓菓は、味つけに水飴が加えられるため保存性に優れており、長期保存が可能です。水飴は穀物を糖化させて作られることで、それ自体が天然防腐剤の役割を果たしています。餅を長期保存するには冷凍保存をし、食べる際に食べる分だけ室温で自然解凍すると良いでしょう。

 

 

各地の有名デザート



イカパン(注文津)

江原道(カンウォンド)江陵(カンヌン)市にある注文津(チュムンジン)は、海に面した場所であり、イカが有名な地域です。この特徴を活かして作られたのが、このイカパンです。可愛らしいイカの形のパンの中にはあんこがたっぷり入っています。イカパンが他のあんパンと区別される特徴は、あんこにイカの粉末が添加されているという点。そのため、実際に食べてみると、イカの味と香りが口の中に広がります。最も美味しく食べるには買ってすぐに食べるのが理想的ですが、長く楽しみたい場合は冷凍しておいて食べたい時に解凍して食べると良いでしょう。お洒落で高級な雰囲気の包装、そしてキャラクター人形のように可愛らしい形をしていることから、お土産としても人気が高い一品です。

 

 

安興(アヌン)チンパン(横城)

 

 

チンパンは、パン生地を蒸気で蒸して作るパンです。パンの中にはあんこが入っており、非常に柔らかい味が特徴的です。とりわけ冬になると無性に食べたくなるおやつで、蒸したてあつあつの蒸しパンをフーフーと冷ましながら食べるのが楽しくさえあります。江原道(カンウォンド)横城(フェンソン)郡安興味(アヌン)面には安興チンパンマウルがあります。安興は、ソウルから江陵への道のりの中間地点であるという地理的条件に恵まれており、そのおかげで安興チンパンが全国的に知られるようになりました。今となっては、江原道を訪れる人が一度は必ず寄る名所となっています。

 

 

くるみ菓子(天安)

忠清南道(チュンチョンナムド)天安(チョナン)市を代表する名物菓子で、小麦粉でつくるタネにあんこを入れ、さらに天安産のくるみを入れて作ります。生地のまわりに大きく埋められたくるみが香ばしさを引き立たせており、中にはあんこがぎっしり詰まっていて甘さが感じられます。また、大きさも形も実際のくるみのように作られているというのがポイント。天安で有名なくるみ菓子が全国的に有名になるに連れ、ソウルはもちろんのこと全国各地で販売されるようになりました。高速道路のサービスエリアで人気のおやつでもあります。

 

 

皇南(ファンナム)パン(慶州)

日帝強占期の1939年に慶尚北道(キョンサンプクド)慶州(キョンジュ)で初めて開発されたパン。当時、皇南パンを初めて販売したのが皇南洞だったことから、その名が付けられました。水と粉の比率を厳格に守って形作ったパン生地に、あんこを入れて丸く平たくこねた後、このタネの上に櫛目文の判を押して模様を付けます。皇南パンは1994年に慶州市の郷土伝統料理に指定され、慶州を訪れる多くの人が必ず食べる地域伝統菓子の一つとなっています。

 

 

ボボリチャル餅(安東)

 

 

まずもち米で大きな餅を作り、両側に小豆粉やきな粉、胡麻などをまぶしたもので、慶尚北道(キョンサンプクド)安東(アンドン)の特産品となっています。ボボリはボンオリ(うまく口の利けない人)を意味する安東方言で、この餅を売っていたおばあさんの息子が実際にボンオリだったという説がある一方、餅があまりに大きくて美味しいので、一口食べたらボンオリのようにうまく話せないことからその名が付けられたとも言われています。見た目は不格好ですが、たっぷりまぶしてある粉からほんのり香る甘味と芳しい餅の味を感じることができます。

 

 

クルパン(統営)

クルパンは韓国戦争(朝鮮戦争)以降の1960年代初め、慶尚南道(キョンサンナムド)統営(トンヨン)の暖かな気候でも腐らず保存できるように作られた船乗り達のおやつでした。丸いドーナツにハチミツを塗ったような形をしていますが、甘すぎないのが特徴です。小麦粉をこねた生地の中にあんこを入れて揚げ、まわりに甘い水飴をまわしかけてツヤを出します。卵ほどの大きさをした甘いクルパンは、統営市全域で味わうことができます。最近では中身にあんこだけでなく、さつまいもや栗、柚子、緑茶など様々な材料を入れたものも開発され、選ぶ楽しみも増えました。

 

 

オメギ餅(済州)

 

済州島の特産物であるオメギ餅は、もちあわ粉を丸めて茹で、豆粉や小豆粉をまぶしたものです。もちあわ粉にヨモギを加え、色を付けたり更に風味よく仕上げたりもします。見た目は無骨なようでも、一口食べれば、やわらかい餅と小豆の甘味が絶妙にマッチし、口いっぱいに広がります。済州島の伝統市場や観光地で手軽に買うことができ、個包装されているためお土産にも適しています。
More Info

☞ 各地の観光情報
江陵観光情報ホームページ: http://www.gntour.go.kr/ (日本語)
横城観光情報ホームページ: http://japanese.hsg.go.kr/main/ (日本語)
天安観光情報ホームページ: http://www.cheonan.go.kr/ (韓国語)
慶州観光情報ホームページ: http://guide.gyeongju.go.kr/deploy/jpn/index.html (日本語)
安東観光情報ホームページ: http://en.tourandong.com/ (日本語)
統営観光情報ホームページ: http://jpn.tongyeong.go.kr/main/default.asp (日本語)
済州観光情報ホームページ: http://www.jeju-tourism-office.jp/top/ (日本語)



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